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建築をとおして自分が静かに居られた時間の記録

【旧藩主の邸宅⑩】東京・目白から八ヶ岳へ。徳川義親邸「八ヶ岳高原ヒュッテ」を訪ねる

今回は八ヶ岳高原ヒュッテを訪問したときの記事です。
前回に引き続き尾張徳川家つながりの建物です。

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【岐阜県多治見市】建築と展示を楽しむ、岐阜県現代陶芸美術館

岐阜県多治見市にある岐阜県現代陶芸美術館で開催している「吉田璋也のデザイン~新作民藝運動が目指した未来」へ行ってきました。
今回はその訪問に関しての記事です。

自然に囲まれた、磯崎新の美術館

岐阜県現代陶芸美術館は多治見市の丘陵地にある美術館です。
2002年に磯崎新の設計によって建てられ、国内外の陶芸を中心とした展示を行っています。
美術館は山の地形をそのまま活かすように建てられていて、周囲の里山の生態系にも配慮されているのだとか。
単に山の上に建物が建っているというよりは、山の斜面に合わせて建物を組み込んだような感じになっています。
駐車場から美術館入口にかけてはいわば山の上に位置しており、入口は建物の最上階にあたる3階部分にあります。そこから2階、1階へ降りていくように進んでいくのが順路です。展示室があるのは2階。
ちなみにこの入口から入らなくても、敷地内をまずぐるっと散策することもできます。

入口

美術館入口付近から眺めた様子

この美術館の良いところの一つは建物と自然とが一体となっているところです。
前述したとおり、山の中に建っているので、季節を感じるのはもちろん、敷地内には人工の滝が設けられており、水が絶えず流れています。
水盤(建物内に設けられた浅い水面)には木々や空が映り、季節や時間によって見える景色が変わってきます。
特に、茶室が周囲の木々や空とともに水面に反射している光景は、まさに建物と自然が一体となっているようで、しばらく足をとめて眺めていたくなります。

水面に反射する茶室

水盤から流れ出た水が、段差を作りながら下へ流れていくようになっているので、3階から2階へ降りていくにつれて見え方も変わってきます。
ここをゆっくり歩いて静かな時間をすごすのもこの美術館の楽しみの一つです。
なお、実際上から眺める美術館の様子は写真より迫力があります。

このように美術館周囲をのんびり散策して好きなところから館内に入ることができます。3階入口から入るのも良し、2階から入るのも良し。展示を見てから散策するのもありだし散策してから展示を見学するのもありです。
美術館はこの人工滝を囲むように建っているので、館内では水の流れを感じます。

吉田璋也のデザイン~新作民藝運動が目指した未来

今回開催されている特別展は新作民藝運動の指導者である吉田璋也のデザイン集です。吉田璋也(1898-1972)は鳥取出身の医師で民藝運動を実践した人。
柳宗悦の民藝思想に共鳴し、陶芸や木工などの職人と協力して、暮らしで使える日用品をデザインし、その製作、販売、普及までを手がけました。
いわば民藝を観賞のためのものではなく、普段の生活にその美しさを含めて取り入れることを実践した人です。

展示では、日々の暮らしで使用するような食器の他、家具やその他小物が展示されていました。陶器に関しては詳しくないですが、そこに置いてあるだけで、器そのものが周囲に落ち着きを与えてくれるような、そんな深い風合いがありました。
一番良かったのは「腕時計掛け」。腕時計はいつも外して置いておくだけですが、これがあれば使わないときは飾っておけるし、デスクの時計にもなるなと思いました(写真を撮っておけば良かった)。
なお、展示物は概ね写真OKでしたが、結局撮らず。
入口に紹介として飾ってあった食器だけ撮りました。

後記

今回は平日に訪れたこともあり、館内は人もまばらでした。
もっとも以前休日に訪れた時もそれほど混雑していなかったので、人の多さをあまり気にせず、自分のペースで見て回れる美術館だと思います。
個人的には、展示と敷地内を散歩し静かな時間をすごす、この一連の時間が「岐阜県現代陶芸美術館に行く」ということになっています。

磯崎新の建築や現代建築が好きな方にはもちろんおすすめですが、少しドライブをして、美術展を見て、静かな場所を歩きたいという方にもおすすめできます。

秋の夕方の様子

【愛知県名古屋市】橦木館を訪ねて。和館でゆっくり過ごす時間。

名古屋市東区にある「文化のみち橦木館」を訪れました。

橦木館は1926年頃に建てられた建物で、輸出陶磁器商として活躍した井元為三郎(1874~1945)の邸宅です。
撞木館は洋館と和館があり、いわゆる和洋館が並列しているスタイルの建物。
敷地内に入るとクリーム色の外壁と瓦屋根を持つチャーミングな洋館がまず目に入ります。

1階は受付と「SHUMOKU CAFE」というカフェが設置されており、2階は井元為三郎についてのささやかな展示となっています。
明治から大正にかけての、このような洋館と和館を並列した建物は、「洋館は人を迎える場所」「和館は生活の場所」というように役割がはっきりと分かれているイメージがあり、現に近くにある豊田佐助邸の洋館は「THE・応接の間」となっています。
しかし撞木館はいい意味で迎賓館的な華美なところがなく、質素でコンパクトな洋館となっています。
2階にあがるとすぐにトイレとバスが一緒の浴室が目に入りますが、こういった点も「居宅としての洋館」といった感じがします。
輸出陶器商としてアメリカのサンフランシスコに支店を構えた為三郎なので、海外のライフスタイルの影響もあるのかもしれません。

玄関をはじめ、トイレや建具の上部など、邸内のあちこちにステンドグラスがはめ込まれているのも洋館の特徴。
光を通して浮かび上がるカラフルな色や模様が、洋館の落ち着いた雰囲気に彩りを添え、建物内のちょっとしたアクセントになっています。

2階の展示では、井元為三郎の歩みとともに、当時の名古屋で発展した陶磁器産業の歴史が紹介されています。
「名古屋=陶磁器のまち」という印象を抱いている人は現在はあまりいないと思いますが、かつて名古屋は輸出のための陶磁器産業がとても盛んな場所で、昭和初期には名古屋市東区一帯に約600もの陶磁器関係の会社が集まっていたとのことです。この地域からたくさんの陶磁器が海外へ送り出されていたんですね。

館内には、当時の為三郎氏や社員の写真の他、取り扱っていた品々などが展示されています。

それと、今回良かったのが和館です。
庭側が大きく開かれているためか、庭と和室がガラス戸を隔てて一体となっていて、空間に解放感があります。こういう点は洋館とは違う良さがあります。

室内が静かで座る場所もあったので、しばらく座って庭を眺めることに。

以前訪問した時は、和館はイベントや展示が行われていて、人の出入りも多かったので特に室内まで入らず、さらっと見て終わったんですよね。
この日は、特に利用が無かったようで、誰もおらず和室も以前より広く感じました。

庭に面した通路も良かったです。
ガラス戸は波打っており、昔のままであることがわかります。

撞木館は和館と洋館、庭がそれぞれ貸室として利用できます。
建物をゆっくり見たい方は訪れる前に公式サイトで利用状況を確認してみるのもいいと思います。

【福井県若狭町】7万年を一直線に見る建築。人類のゆっくりとした歩みを感じた年縞博物館。

福井県年縞博物館へ行ってきました。
以前にも訪れたことがある場所ですが、小浜を訪れた帰り道、もう一度見たくなって立ち寄りました。

まず年稿とは何か。案内から引用します。

年稿とは、プランクトンや鉄分など、季節によって異なるものが湖の底に毎年積もることで、縞模様になった泥の地層です。

水月湖の年稿は世界一の長さ45m。7万年間、毎年途切れることなく積もり続けています。

年稿には湖の周辺の花粉、飛来した火山灰や黄砂、洪水の土砂も含まれています

このように、7万年間蓄積された年稿が展示されているのが福井年縞博物館です。

設計は内藤廣建築設計事務所で、2018年工事竣工。

年稿が興味深いのはさることながら、素敵なのが建物。

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【福井県小浜市】明治の料亭と、33℃の夏。小浜で過ごした穏やかな一日

福井県小浜市までドライブに出かけてきました。
今回の目的は明治時代に建てられた蓬嶋楼を見学すること。
愛知県から2時間ほど車を走らせて到着です。

蓬嶋楼(ほうとうろう)は小浜西組(にしぐみ)地区にある築130年ほどの旧料亭。

昔の街並みが残る小浜西組地区は「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されており、蓬嶋楼もまた、その歴史ある街並みの一角をなし、往時の風景を今に伝える建物の一つとなっている。

蓬嶋楼
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